遠出の忘備録

茫洋と行きたいところに行くだけ

プラハのカフェ(プラハ*1)

2016年の1月にプラハへ飛んだ。

10年越しの恋のような現象がon/offを繰り返しながらもついには消えたので、冬休みにロンドンの自宅でじっとしているのは精神衛生上よくないと判断、とにかく安く行けるところをとeasyjetを検索したら、プラハがヒットした、だから行った。

2年以上前の話。

チェコにはほんのすこしの思い入れがある。シュヴァンクマイエルチャペックヒティロヴァ なんかを知っていたから。

でも、アートなことは疲れてどうでもよかったので、そのときの目的は蚤の市とカフェ。(蚤の市の話はまた今度、回想したい)

まず、Cafe Louvre

到着して、ホステル(4泊で1840.03ck)に荷物を置いて、すぐにここへ。 
ホステルのすぐそばにある。

チェコの人(ポーランドとかも)はクリスマスに鯉をたべる。ディナーメニューに鯉の揚げ物があったので迷わずオーダー。味は忘れたけど、おいしかった記憶。

 

翌日の朝食。チェコ式。林檎のケーキがつく。非常においしかった記憶。
これで 126kc(700円ぐらい?)ポンド換算すると安すぎて、チェコに住みたくなるほど。

 

最終日の朝食。フランス式。オムレツとハム。

チーズスライサーですーっと薄く切ったチーズ。すてきにおいしい。

 

ここはGrand Cafe Orient。ここの分厚いグラスが気に入って、お店の人にひとつ記念に買いたいというと、そのままくれた。ロンドンで大切に使っていたけど、ある日、落としてもいないのに割れた。

ハムチーズのサンドイッチ。

滞在中に、初雪。街の人は例年よりも遅い雪だと言っていた。雪はさらさらなパウダースノウなので、降り積もった雪を箒で掃いていたのが印象的だった。

大雪が降るなか、夜のカフェに行きたくて、ディナータイムも終わった頃合いの10時過ぎにCafe Slaviaへ。

正装したおじいさんがピアノを弾いていた。

わたしはカフェインをとりたくなかったので、生姜と蜂蜜のフレッシュティーと、ザッハトルテ

ピアノ奏者のおじいさんに「すてきです」と言ったら、次の曲は滝廉太郎の「花」を弾いてくれたのだった。
でも、無知なわたしは「この曲聞いたことあるナ」と思いつつ、演奏中にバスルームへ行き、曲のプレゼントに応えないというアホを晒した。ホステルに戻ってから、もしや滝廉太郎?と思い検索すると「花」だった。

レイキャビクのバンクベッド

2016年の9月末にアイスランドへ行った。

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レイキャビクKexというホステルに4泊して、アイスランドに行くひとがだいたいするように、鯨を見に行ったり、Blue Lagoonに行ったり、オーロラを見に行ったりした。

(その記憶は後々あたまのなかをかき回して、ここに追憶したい)

まだ暗いうちにロンドンを出て、格安航空機に乗ってここまで来たので、Kexに着いたのもまだ朝の時間だった。Check-inの時間にはずいぶん早かったのだったが、快適な滞在に固執するがゆえ、スタッフに、ベッドを選びたい、とリクエストした。Check-inの時間には、わたしはBlue Lagoonで青いお湯に浸かっている想定だったから。

わたしがKexで予約した部屋は6人部屋で、というのも、レイキャビクの物価がロンドンよりもはるかに高く、ホテルのシングルルームに泊まるとしたら予算を大幅に修正しなければならなかった。そして、それは不可能だった。

女子のみの6人部屋。ホステルには慣れているので問題ない。ただ、どこに寝るかは選びたい。

わたしが個人的に決めているのは
 1。ベッドの近くに電源があること
 2。バンクベッドの下段を確保すること
 3。静かと思われる位置のベッドを確保すること

それで、スタッフにリクエストして、その条件にあうベッドを予約してから、レセプションに荷物を預け、街に漂いに出たのだった。

その日のたのしいことが終わってKexに戻り、自分に振りあてられた部屋に行って、静かにドアを開け、数人いた女の子たちにハローと言い、自分が予約した番号のベッドを見ると、ふつうに先客が占領していた。

うぐ、と思ったが、よくあることなので、先客にこのベッドはわたしが予約したことをふつうに話した。

彼女はどかない。ふつうによくいる頑固な女子だった。わたしも驚かない。

でも、わたしもこういうときは頑固になると徹しているので、ここに寝ます、と宣言する。ちなみに、わたしは当時48歳で、女子はたぶん18歳から25歳の間。

女子と言い合いになっていると、急に他の女子数名が「うおおおおお!」と叫んで、窓にかけより、それぞれが口から溢れ出る感嘆を声にして絶叫し始めた。

 

 

オーロラだった。

これはiPhoneで撮ったものだけど、iPhoneでここまで撮れるオーロラというのはすごいのではないだろうか。

それがもう、見ているそばからゆらゆらと形を変え、二重になったり広がったり、濃くなったり薄くなったり、生き物のようなのだ。

わたしも、ベッド略奪戦の女子も、部屋のみんなが大騒ぎで、きゃあきゃあ言って部屋を出て、共有スペースにあるバルコニーに出て、みんなでオーロラを見た。高所恐怖症のわたしは、網目のように鉄が張ってあるだけの、下が見えるようになっている床のバルコニーが怖くて、出られなかったのだが、同室の女子が手を繋いでくれて、一緒に広い空を見た。

わたしが滞在した4泊5日は、アイスランドで10年に1回あるかないかというオーロラの当たり日だった。レイキャビク市はこのオーロラを最大限に愉しむために、翌日から夜の9時以降は市内の全電気を消す措置を図ると発表した。

流れてゆくオーロラを追って、バルコニーを出て、Kexを出て、みんな海へ向かった。わたしも行こうと思ったが、昨夜は3時間ぐらいしか寝ていなかったし、もう疲れたので、ひとりで部屋に戻って、適当な空いているベッドに潜り込んで何も考えずに、寝た。

写真は全部Kex。早朝に撮ったので、暗い写真が多い。

ここでは、コンサートもしていて、わたしが滞在した日は日本のバンドが演奏した。幾何学模様という名のバンドだった。その夜はいろいろなひとが声をかけてくれて、一緒にオーロラを見たり、話したりした。ロンドンにはないフレンドリーさがあった。