遠出の忘備録

茫洋と行きたいところに行くだけ

わたしが旅行に出る理由

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わたしは「旅」ということばがすきだけど、反面気恥ずかしくて使えない。
単身、いろいろなところへ行く。でも、それは「旅」ではなくて「旅行」。
「旅行」であるのは、たいてい期間が短いし、冒険でもないし、事前に全て整えて行くからかな。

50歳になったので、もう「旅」っぽいことはできない気もしている。
冒険も、危険な誘惑も、前人未到の何かも、全然興味ない。
ロンドンには1995年から住んでいるんだけど、もうやりたい冒険は一通りしたっていうのもある。
もう疲れることはしたくないかなあ。

だから、月並みだけど、若い人にはお金がなくても、行きたいところがあるなら、なんとかして今行け!……ではないな、そうではなく、「行ってみてはいかがでしょうか」という感じで勧めたい。
だって、ほんと、お金がない旅なんて、若いうちしかできない。
もちろん、50歳だってどこにでも行けるわけなんだけど(わたしの知人の英在住日本人女性は70過ぎてもパキスタンにひとりで行っていた。でもお金はあった)、飛行機に乗るのですら疲れるようになるのは普通なんではないかな。わたしも、できるなら長距離はビジネスとかに乗ってみたい。

 

 

 

「旅」は疲れそうだけど、実は「旅」ではなくて「旅行」でも、とても疲れてしまう。
いろいろ検索して、宿泊先を決めたり飛行機を予約したり、安さや便利さ安全さなどを考慮して、行くべきところを決めたり、それでいつも旅行に行く前から疲れてる。
自分は決めたいタイプなんで、じっくり事前情報を集める。
自由に贅沢できるわけでもないので、パズルのようにああでもないこうでもないと金額を気にしながら最高のプランを練る。
そういうのは、疲れるけど、すきなんだと思う。だからやれる。

 

旅行に行ってからも、当然疲れる。
飛行機の時間にはナーバスにならざるを得ないし、何かにつけ、騙されないように、スリに遭わないように、とか、警戒心も普段より強く持たなければならないし、旅行中に野菜を十分に摂れなくなるとか食生活も不安定になるし、万歩計が2万とかになっていたりもするので、疲れる。
時には、日本やイギリスではしないような失敗っぽいこともしてしまう。
ことばでのコミュニケーションができず、身振り手振り。
それは愉しい。
そして、しかし、疲れる。

そんなに疲れるのに、基本的に引きこもりであるわたしが、なぜ旅行をするのか。

 

 

 

 

 

日常がつまらないから、だろうな。
まさしく現実逃避。
逃げてる。

でもなー、わたしの場合、逃げないとおもしろい人生にならない気がするんだよな。
50になっても逃げてる。
いいのか悪いのかは今はわからない。
死ぬ前にわかるかもしれない。

ウィリアム・レーネンというひとのことば。


自分にとって適切な行動をし続ければ、未来の可能性を創造するのです。今をもっと楽しんでください。あなたにとって適切なことにお金を使い、楽しめばいいのです
人生をシンプルにしてください。自分にとって適切だということだけを指針にして決め、行動するだけです。未来にどうなるとか、ならないとか、もらえるとか、もらえないとか、そんなことを考え続けて損得勘定で人の顔色をうかがい、本当の自分を尊ばないで生きるのは止めるときです
お金のために我慢してやりたいことをやらない生き方をしていれば、子供たちにそういう生き方を教えることになります。あなたの経験、あなただけのものではないのです。病気、損失、あらゆることにあなたはどう対処するか、人があなたの生き方を通して励ましを受け取れるのです

 

よくわからないけど
よくわからないから、わたしはここを出て、どこか他のところに行ってみて、お金を使って、愉しんだり疲れたりして、日常を離れた外からの何かを自分に混ぜたいんだと思う。
疲れるんだけど……動かなきゃ体験できない。
自分の背中をいつも、押す自分がいる。

 

写真は、ヘッダーが2015年の香港、ねこのはBrixton Village(うちの近所)、最後のは今週たべた英国のごはん。