遠出の忘備録

茫洋と行きたいところに行くだけ

スロバキアのアキ・カウリスマキの匂うカフェ

 

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2018年の春休みにスロバキアブラチスラバに行った。

わたしの趣味は欧州温泉巡りなので、スロバキアの有名なピエスタニーの温泉に行ったのだった(その話も後々ここに記述したい)。

4泊5日の最終日、空港行きの路面バスの時間調整のため、スーツケースを引きずりながらどこか落ち着けるカフェはないかと探して、Hlavná stanicaというブラチスラバ中央駅を徘徊。駅周辺はちょっと雰囲気が場末の感じ。治安がいいのはこの国に着いた初日ですぐわかったけど、それとは別にさみしさのようなものがある国で、全体的にしょんぼりしている。ロンドンとは異なる種類の怪しげなひとも目につく。

ここがスロバキアの首都の一番大きい駅。さみしい。でも、しんみりした温かさがある。

トイレに行きたくて、トイレを探したけど見つからなくて、親切そうな人に訊いても見つからず、この駅の2階に上がると、ちょっと入りづらそうな地元民でいっぱいのカフェを発見、トイレのことは忘れることにした。

なるべくそーっと、この風景に馴染みますようにと念じて入る。

窓際のすみに着席。

ここは鉄道カフェだったのだ。

一番すみにかしこまって座ったら、すぐにウェイティングスタッフが来てくれた。メニューは笑っちゃうほど品数が多かった。意外。

ビールを飲みたかったけど、トイレに行きたい状態でもあるので、カフェラテ。おいしいくいただく。カフェがいいカフェだと非常に愉しい。こういうカフェがすきである。カフェラテの置かれている銀色のおぼん。長い柄がついたスプーン。3層に分かれた飲みもの。緑の敷物。造花。セルフサービスのコースター。イケてる。

空港に行かなければならない時間が迫りつつあったので、あとトイレのことも完全には忘れられなかったので、長居をしたかったがお会計。

この細長いレシートでトドメ。

またスロバキアに来ることがあったら(泥湯の温泉がすばらしいのです)、またここに来よう〜と熱烈に想っている。

このカフェを出て、バス停に行き、わたしの乗るバスの切符を買おうと自動券売機に対峙していたら、まん丸の眼鏡をかけた笑った顔のおじさんと、同じように笑った顔のおばさんがやって来て(たぶんカップル。背が低くてモコモコしていて一見かわいい)、わたしを囲んだので、来たナ、と思って「Nooooo」ととりあえず大きい声で言ったら、「いやいやいや…」みたいに言ってさっと離れて困った顔をした。知らないおじさんがもう1人来て(ここには知っているひとは1人もいないのだが)、「彼女に構うんじゃない」みたいに言ってくれた。彼らは英語を話さない。カップルはわたしに券売機の使い方を教えてあげたいと言っているようだった。なので、教えてもらった。でも、教えてもらったらやっぱり、ちょっとお金をください、と言った。ロンドンでもホームレスのひとにはお金をあげられるときはあげるようにしているので、そのときも小銭をあげたような気がするが、記憶が曖昧で、いくらあげたのかあげなかったのか、すっかり忘れている。でも、2人の感じは忘れられない。